本日は中小企業の集客・宣伝法ということで、防犯システムの設置会社篇について解説してまいります。


ここで紹介する会社は、『B TO B』いわゆるお客様が会社であるケースです。『B TO C』であればお客様が個人になります。今回は、お客様が企業の場合における販売戦略になりますが、さらに、経営危機を乗り越えていった事例についての解説をつけ加えてみました。

B TO B(お客様が企業である場合の販売戦略)

以前のブログや動画でも解説しましたが、技術者出身の経営者は、宣伝軽視の考えが強い傾向にあるんですね。確かにものづくりについては、強いこだわりと技術力があり、その能力と情熱があったこそ、会社は長年存続して、日本の製造業やサービス業の技術レベルが世界の中でトップレベルになったのはまぎれもない事実です。

ただ、どうしても宣伝軽視の考え方が強いんですよね。せっかくすごい技術とそれに伴う信用があっても世に知られないと売上につながらないのですね。今回紹介する防犯システムの会社もこうしたケースに該当していました。

確かに営業チームはありましたが、仕事の多くは協会や団体からの依頼がほとんどで、いわゆるゼネコン(建設業)に構造が似ていました。当時のゼネコンは国や公共団体経由の公共工事だけで大半の収益を賄えられる時期もありましたね。

しかし公共工事は、97年の橋本内閣以降、年々削減されていき、今では公共工事の総額は20年前と較べて半分になりました。そのため60万社あった建設・土木会社は46万社まで減ってしまったんですね。

もちろん、建設・土木会社がこれだけ減ったのは、公共工事が削減されたのが最大の原因です。今回紹介している会社も、ゼネコンではないですが、この事例にかなり当てはまる事業形態でした。受注元は国ではないですが、大きな協会団体がいくつかあり、そこからの受注が多くを占めていました。

今回紹介している会社にはサイトはもちろん持っていましたが、ほとんどアクセスがなく、ネット宣伝にはまったく力を入れていませんでした。

ただ、社長の考えとして、「今のままではどんどん衰退してしまうので、法人でなく個人消費者を相手にした防犯システムの市場を狙う」ことを考えていました。しかし採算性がとても悪く、なかなか軌道に乗りませんでした。

協会や団体からの受注であれば競馬場、大ホールや高層ビルのため、例えば一つの受注だけで防犯カメラだけでも数百台、それに伴う巨大な防犯システムを設置することになります。

しかし相手が個人だと、家に1つか2つの防犯カメラだけ済んでしまうため、採算が悪く、手間もかかってうまくいきませんでした。このような状態が何年も続いていたのです。

ただ、やがて大きな危機が訪れることになります。
(続く)

中小企業 防犯システム会社 経営危機突破編


1.B TO B(企業同士で行われる販売戦略)
2.技術者出身の経営者に多い宣伝軽視
3.営業→業界団体からの仕事依頼がほとんど(建設業に似た構造)
4.経営者は社会・政治情勢の変化にも目を配る
5.ネット広告からの受注が数件あり
6.ニーズがあるかをよく調べる
7.今後(オリンピック終了後)の課題
8.新規事業参入の注意点