医療機関の広告ガイドラインは厳しい

Yahoo!広告、Google広告における広告掲載基準は、年々、厳しくなっています。鍼灸や整骨院、整体院などの治療院では「患者、診療、治す、疾患名」などの医療行為を示すワードは、広告はもちろん、ホームページ内に記載されていても掲載不可となります。

中にはこれらのワードがホームページに含まれていても掲載されている広告がありますが、目視検査が入ってこれらのワードが発見されてしまうと、ほぼ掲載停止になります。

治療業界では医療行為のキーワードは使えないのに対し、病院やクリニックの医療機関は、医療ワードを使うことができます。

だからといって医療機関は、治療院よりも広告審査に合格しやすいかといえば、そうではありません。むしろ、医療行為に関わる医療機関の広告掲載基準は、治療院よりもはるかに厳しいです。すでに何度も再審査を行っているにも関わらず、一向に審査に通らず、現在、困っている医療機関は多いのです。

掲載停止・不合格になる理由

「サイトが未完成」「院長プロフィールに不備がある」「医療機関の所在が不明瞭」などのような理由を除き、Yahoo!の広告審査で落とされる大半の理由は、次の二つです。

■広告に禁止ワードが書かれている
■ホームページに禁止ワードが書かれている


ある日突然、広告が掲載停止となって、ヤフー担当者に直接電話して、原因を確認した経験のある人もいると思いますが、そのときにYahoo!担当者から「広告掲載基準」を紹介されることがあります。

とくに医療機関の掲載基準においては、「第6章 薬機法などの広告表示規制および個別の掲載基準があるもの」の1項目「医薬品、医薬部外品、医療機器」と、第5章「業種、商品、サービスごとの掲載基準があるもの」の12項目「医療機関」が深く関わってきます。

※Yahoo!広告の医療機関における広告ガイドラインは、本文最後にリンクを設置してあります・

ただ掲載基準には、項目がたくさんあるため、一読しただけで、すべての内容を理解するのはかなり難しいでしょう。

しかし、医療機関の広告で審査に落ちる大半の理由は、ガイドラインに接触するキーワードや文言が、ホームページや広告に記載されているからと言えます。

そこで私どもの経験から、過去にNGとなった実際のワード(表現)を次に紹介します。

禁止ワード(表現)事例

①誇大表現ワード

ワード:世界一、日本一、地域一、No.1、世界的、最高など

例文:世界一の先生、No.1の腕、最高の医者など

②安全・効果について最大級又はこれに類似するワード

ワード:世界的、唯一、すごい、とっておき、100%、完全、究極、最高級、画期的、絶対、安全、安心、確かなど

例文:「すごい医療技術」「とっておきの手術」「100%治る」「究極の方法」「唯一の技術」「画期的な医療」「絶対治る」「確かな診断」など

③安全性・効果を保証、又はそれに類するワード

ワード:安全、効果がある、間違いない、負担がない、痛くない、アンチエイジング、短時間など

例文:「安全な手術」「痛くない治療」「間違いない技術」「短時間で治る」「よく効く診療」「全快する」
「肌の悩みが解決」(→確実に治ると誤認される表現)
「アンチエイジング」(→このワードだけで効果を意味)
「100年の歴史があるクリニック」(→安全と誤認される表現)
「臨床データで証明されている」(→説明不足で安全性に接触)
「改善率70%」(→実績の記載NG)
「〇〇%の成功率」(→実績の記載NG)

⑤他(競合)と比べて優れていると思わせるワード

ワード:名医、評判の良い、高い成功率、経験豊富、実績のある、代表的な、最大手

例文:「経験豊富な医師」「実績のある医師」「名医が診察」「患者数2万人の実績」

⑥マスメディア、専門誌の記事

テレビ・新聞の記事、医師や学者の論文や学説がホームページに掲載されていると審査不合格となります。

⑦患者の声、体験談、推薦者の声

患者の喜びの声、手術の体験談、大学教授や団体の推薦の声があると、審査不合格となります。

⑦治療前後の写真(ビフォーアフター)

診療・手術前後の写真は不可です。

⑧薬名(薬品名の記載)

医療関係者の場合、ホームページに薬名の記載があると審査不合格となります。
例えばクリニックは「医療関係者」であり、「医薬関係者」ではありません。
薬名(例:コンサータ、ストラテラなど)の薬名の記載はNGです。

『医療関係者』→薬名の記載のあるサイト:NG
『医薬関係者』→薬名の記載のあるサイト:OK

厚生労働省 – 医薬品等の広告規制について

まとめ

このように医療機関のホームページには、極めて厳しい基準が設けられています。本記事では掲載不可となった過去の事例で多かったものを紹介しました。

本記事で紹介した事例以外にも規制はありますが、医療機関におけるYahoo!広告のガイドラインは下記に掲載されています。まだ一度も見たことがない場合には、目を通しておくとよいでしょう。

ヤフー広告 医療機関における広告掲載基準
第6章 「薬機法などの広告表示規制および個別の掲載基準があるもの」1項目「医薬品、医薬部外品、医療機器」

第5章「業種、商品、サービスごとの掲載基準があるもの」12項目「医療機関」