リーマンショック時の世界のGDP減少率は1%未満、1930年代の世界恐慌は15%減少

リーマンショック時、世界のGDPがどれだけ減少したかをご存じですか。2008年から2009年までの世界のGDP減少率は、実は1%未満でした。
そして20世紀前半に起きた世界恐慌においては、1929年から1932年の間に、世界のGDP は推定で15%減少しました。深刻な不況となったリーマンショックですら、世界恐慌の景気減速と比較すると、わずかな減少に過ぎなかったのです。

好況と不況の定義については、経済学者でないため、細かいことまでは言及しませんが、実際に会社を経営をする立場にいる人にとって、今、大事なことは、世界恐慌下における正しいマーケティング戦略を知ることです。

過去の世界恐慌においても、成長した企業が存在する

実は1930年代の世界恐慌下においても、大きく成長した企業が存在します。さらに、長年、業界ナンバーワンを堅持していた企業が入れ替わるときは、深刻な不況時が多く、新しい大企業は不況時に生まれやすいとも言えます。

ところで世界恐慌時に成長した企業は、一体、いかなるマーケティング戦略を採用したのでしょうか。それは広告宣伝を積極的に行ったことにあります。

恐慌時のマーケティング予算削減は、さらなる危機を伴う

不況に突入すると、企業が行う対策として最初に思い浮かぶのが、コスト削減です。当然、無駄な贅肉部分は、不況時にコストカットしなくてはいけません。それは当然のことです。

しかし、ここで大きな問題になるのが、過剰なコスト削減病にかかってしまい、広告宣伝費まで削減しまう点にあります。不況時には、大半の企業がコスト削減の手段として、広告宣伝費まで減らしてしまうのです。
特に世界恐慌下では、大半の企業が広告を減らし、消費者たちの目から企業の広告が大変見えにくくなったのです。

しかしその中にあって、広告を出しているごく少数の企業がありました。世界恐慌の中において、積極的にマーケティングに力を入れ、活発な宣伝広告を展開してきたのです。その結果、世界恐慌にも関わらず、大きな成果を挙げられたのです。

多くの企業は、世界恐慌はもちろん、リーマンショックのような不況が起きた時、コストカットを最優先に行います。そしてコスト削減の最初の対象となるのがマーケティング予算です。もちろん、あまりにも無作為・無方針な宣伝をやっていて、財務状況を悪化させていた場合には致し方ないでしょう。

しかし、マーケティング予算を削ったため、逆に取り返しのつかないダメージを受けてしまった企業が多数存在するのです。

この教訓は何を物語っているのでしょうか。恐慌時にマーケティング予算を削って恐慌を乗り切るという考えこそが、さらなる危険を伴うことを意味しているのです。